ホーム  >  きもの用語辞典  >  い
きもの用語辞典

索引:「い」

衣冠(いかん)

下袴(したのはかま)、単(ひとえ)、指貫(さしぬき)、袍(ほう)に冠をつけた装束で、束帯の略称のこと。

粋(いき)

容姿や身なりが洗練されて、しゃれた色気をもっていることを意味し、江戸時代末期に発展した一種の美的観念をいう。また遊里に明るく、その遊びにも詳しく、万事にさばけていること(通<つう>)をも意味する。

生洗い(いけあらい)

汚れやしみをつけた場合に、いったんほどいて、薬品でシミ抜きをする作業のこと。

衣桁(いこう)

きものを掛ける和風の家具。呉服屋の陳列や展示用などに使われる。
衣桁(いこう)画像

居坐機(いざりばた)

地機、神代(じんだい)機、坐機、下(しも)機などともいわれ、日本や朝鮮で古くから使われてきた手織り機の一種。五世紀ごろ、中国から機織り技術が伝わり、弥生時代の原始機が、この機に転換した。越後縮(ちぢみ)や結城紬(ゆうきつむぎ)のほか、各地でわずかに使用されている。
居坐機(いざりばた)画像

居敷当(いしきあて)

和裁用語で、単(ひとえ)のきもののでん部の位置に、補強のために裏から縫い付けておく当て布のこと。

石摺り(いしずり)

紬や御召類の白記生地を色に染め、石の粗い面に当てて布面をこすると色がところどころはげてむらになる。これを文様として表したもの。

衣装(いしょう)

着物、衣服、被服と同意語であるが、形式の整った言う区、上等の衣服をさす。

伊勢崎銘仙(いせざきめいせん)

絹織物の一種。銘仙は実用的外出衣料として縞、絣柄物等が有り、子供から老人まで広く愛用された。

出衣(いだしぎぬ)

衣冠、直衣を着るときに、下に着る衣の裾を出して着ることをいう。

一の襞(いちのひだ)

袴の部分名称の一つ。袴の前襞の一番外側で左右2本ある。

市松文(いちまつもん)

色の異なる方形を交互に並べた割付文様、石畳文、霰(あられ)文と同文であるが、江戸時代中期末、江戸で活躍した上方の若衆方役者、佐野川市松が用いて大流行したことにより、それ以後は一般に市松文様とよばれた。紅と白、紫と白など対照的な色を用いて、あでやかな効果を示す。
市松文(いちまつもん)画像

銀杏返し(いちょうがえし)

女性の結い方の一つ。髻を二つに分けて左右に輪を作り、その毛先を合わせて元結いで根に結んだもの。

一束縫い(いっそくぬい)

何枚も重ねた布を一緒に縫うこと。三枚の場合は三つ縫い、四枚の場合は四つ縫いという。

一張羅(いっちょうら)

持っている着物の中で一番上等のもの。また一枚しかもっていない着物

一珍糊(いっちんのり)

穀物の澱粉、蛋白質に石灰を混ぜてつくった防染糊。乾けば凝固して水に溶けなくなるため、水洗いに困るごく薄い生地や革染めに用いる。

五衣(いつつぎぬ)

女房装束の袿(うちき)のうち、五枚重ね袿の衣をいう。重ね袿の枚数は平安時代末期が最も多く、二十枚という記録もあるが、鎌倉以降は五枚に定着した。

五つ文(いつつもん)

礼服の男女長着および男物羽織につける五つの家紋のこと、または五つの紋のついた礼服のことである。紋の位置は、衿付けから5.5センチ下がった背縫いの上に一つ(背紋)、後ろ袖の袖山から7.6センチ下がったところの袖幅の中央に左右一つずつ(袖紋)、前身頃の肩山から15センチ下がった位置で幅の中央に左右一つずつ(抱紋<だきもの>)、合計五つである。

糸扱き(いとこき)

和裁技法の一つ。運針やまつりの途中、または終了したあと、糸のつれやたるみをなくすため、指先でしごいて縫い糸を平らにならすこと。

糸染め(いとぞめ)

先染め織物の一種として、糸のままで染めてから織る場合をいう。縞、格子、絣(かすり)、各種色模様織りなどすべて糸染めで織られたものである。

糸錦(いとにしき)

色糸や金銀箔を使い、紋織り組織によって織られた美術的な織り物。主として丸帯、袋帯、子供の七五三の祝帯に用いられる。

糸鬢(いとびん)

男性の髪形の一つ。月代(さかやき)を広くあけ、左右の耳から額に向けて細く作った鬢、または、それを髷に結ったもの。

糸目(いとめ)

手描き友禅染の技法で防染糊(他の部分の染料が混ざらないように置く糊のこと)を置いた線が、糸のように細く現れるためにこの名がある。

糸目友禅(いとめゆうぜん)

友禅染の一種。糸目糊で防染してから染める友禅のことで、本友禅という。友禅染は多彩な染色なので、色と色とが混じり合わないように、糸目糊で防染して染めるが、この防染糊が糸のように見えるところからこの名がある。化学染料の進歩から糸目糊で防染せず、染料で直接模様を表現する無線友禅がある。この無線友禅との区別のために、糸目友禅、本友禅の名が必然的に用いられている。

鯔背(いなせ)

威勢がよくて、さっぱりとした気風の若者のことを意味し生粋の江戸っ子を表現した言葉である。

位袍(いほう)

着用者の位階に相当する色の袍。袍は<うえのきぬ>ともいって朝服の表衣である。

忌色(いみじき)

平安時代、凶事に用いた色。橡(つるばみ)色、鈍(にび)色、青鈍色、柑子(こうじ)色、萱草(かんぞう)色、鼠(ねずみ)色のこと。

色揚げ(いろあげ)

褪色(たいしょく<いろがあせる>)した染め物を染め直すこと。同系の濃色をかける場合と、暗色に染める場合とがある。

色合わせ(いろあわせ)

きものと帯、帯と帯締め、帯揚げ、羽織ときもの、きものと半衿や裏地、下着や履物、バック類など、すべての調和美を考えて、色彩効果を上げるように調整すること。
染色上の用語では、見本の色相と同じ色に染め上げることをいう。何度も色合わせをして見本の色を出すようにする。

色差し(いろさし)

型染め、友禅、更紗(さらさ)などの小部分に色を小刷毛や筆で加えること。糊置きをした上に加える場合と、仕上げ後で加える場合とがあり、仕上げ後のものを後差し(あとざ)し、手付け紅ということもある。

色留袖(いろとめそで)

黒地以外の色地の裾模様のきもの。宮中の第一礼装。黒留袖は既婚者だけが着るが、色留袖は未婚者も着ることができる。紋の数によってきものの格がきまる。

色直し(いろなおし)

本来、白無垢(むく)を色物に脱ぎ替えること。江戸時代には婚礼、出産、葬礼のとき、ことに女性は白無垢(逆さ言葉で<おいろ>ともいう)を着たが、それがすむと色物に着替えた。これを色直しという。明治になると葬式は白から黒になり、出産の白無垢もすたれて、色直しは婚礼の儀式のみに残り、近年は衣装見せにきものだけでなくウェディング・ドレスや洋服を、二度三度と着替え、また花婿までモーニング・コートから羽織袴(はかま)のように洋服と和服を着替えて色直しをするという流行を生んでいる。

色泣き(いろなき)

染め色が糊場ににじみ出して他の色と重なってしまうこと。

色見本(いろみほん)

基本となる色、あるいは染料を操作するための標準となる色相や濃度、色合せの割合などを示す目的をもってつくられた染色の見本帳。色名、染料、操作方法を併記してあるものが多い。誂(あつら)え染めの注文取りの目的につくることもある。

色無地(いろむじ)

黒以外の色の一色無地染のきもの。紋綸子のような地紋のある生地を用いることが多い。色無地のきものは紋をつけて、吉凶両用の準礼装や略礼装として用いることができ、黒無地は染抜きの五つ紋をつけて礼装の喪服として用いる。

色目(いろめ)

中世以降に行なわれた衣服の色合せの汎称。これには表地に裏地の色を透かせて見せる合色目(あわせいろめ)、衣を着重ねることによってあらわす襲色目(かさねいろめ)などがあり、四季の草木花樹の名や自然の風物によるよび名がつけられた。紫や赤などの禁色(きんじき)以外は自由に配色をこらしたが、その取合せ方に教養を問われた。この王朝文化を第一の色彩文化の時代とするならば、江戸時代は第二の色彩文化の時代とよばれ、庶民文化のなかに歌舞伎役者や遊女の間から流行がおこり、粋、渋みの江戸情趣あふれる色彩文化が形成された。

色紋付(いろもんつき)

一・三・五つ紋などの家紋を付けた、色無地のきもののこと。

祝い着(いわいぎ)

赤ちゃんのお宮参りの時、着用するきもの。

インディゴ(いんでぃご)

藍のこと。天然の藍は原料となる植物の葉や茎から採取する青色染料で、還元作用によって可溶性として繊維に染めたのち、空気中で酸化発色する方法で染色する建染(たてぞめ)染料の一種である。現代では合成によって人造藍として大量に生産されている浅葱色、紺色の堅牢な染料として広く用いられている。

岩田帯(いわたおび)

帯祝いの際に使用される帯。お腹を保護すると同時に、健康な赤ん坊の出産の願いも込められている。

印金(いんきん)

膠着剤(こうちゃくざい)で布に手描きや版によって模様を置き、金属粉をまきつけて光輝のある模様を出す事。

印伝(いんでん)

革染の一種。鹿や羊のなめし革に、染料や漆で模様をそめつけたもの。インドから伝わってきたためにこの名がある。江戸時代には革羽織や足袋などに用いられていた。現在は山梨県甲府市の特産品として有名である。

印籠(いんろう)

男子の携帯品で、江戸時代に裃着用の際には必ず腰に下げた。多くは三段から五段に重ねた長楕円形の扇平な小さな容器。


PAGETOP